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2008-08-14 Thu 19:34
毎日暑い日が続いているのですが、今年は訳あって避暑には行けずじまい。そんな中で読んだのがこの本、「ビジネスを育てる」。ビジネス書というものをほとんど読まない私が、一見ビジネス書風に見える本を手にしたのは、この本がオルタナのようなスモールビジネスの起業に当たってとても参考になる、かつ勇気を与えてくれるものだからです。
中でも新鮮だったのが、スモールビジネスにとって常に悩みの種でもある「お金」についての考え方。だって、 「お金がありすぎることは、足りないより悪い」 と言うのですから。お金がありすぎると浪費するからかなあ、など何となく分かるような気がする反面、足りないのはやはりまずかろうと思うのです。それでも、筆者は足りないよりもありすぎるほうが悪い、と言います。 それはなぜか。簡単に言ってしまえば、お金で制約があるほうがスタッフの間から自然に新しいアイデアが生まれ、それが結果として顧客の共感を呼ぶことが多いからだという。筆者が創業した園芸用品会社スミス・アンド・ホーケンが、創業当時に商品カタログ制作にかけた費用は1万2000ドル。一方で、潤沢な資金を有して起業した筆者の友人のカタログ販売会社の商品カタログは、外注して8万2000ドルもかかったそうです。友人の会社がその後店じまいをしたのは、自分で学んで向上する絶好の機会のチャンスを手にしそこなったからだと筆者は指摘します。 自前で物事を進めることの大切さは、日々のオペレーションだけでなく、資金集めという経営の根幹に関わる部分でも同じだといいます。 酪農のさかんな米バーモント州で創業したアイスクリームのベン・アンド・ジェリー は、銀行からの融資やファンドからの投資に頼るのではなく、地元バーモント州の一般市民に対して株式を公募するという手段に出ました。弁護士や会計士といったいわゆる「プロ」の人たちからはことごとく反対されたようですが、ふたを開けてみれば募集株数は売り切れ。地域コミュニティが自社製品を応援してその企業が成長すれば地域にも貢献するはず、と市民は受け止めたのでしょう。 筆者のポール・ホーケン氏は、自然食品店に始まってIT関連会社まで創業した豊富な起業経験を持つ。起業を考えている、あるいは既に運営している業種に当てはまらなくても、環境や地域に良いインパクトを与えるスモールビジネスを目指すのであれば、必ず響くメッセージを見つけられる本だと思います。
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2008-07-21 Mon 15:39
いよいよ夏休み。読書感想文の宿題がツラかったという苦い思い出をお持ちの方もいるかもしれませんが、「暑い、暑い」で終わらせずに1冊ぐらいいい本に出会いたいものですね。現在、青山ブックセンター本店で、オルタナ編集部が選んだ環境図書フェアを開催しています(今月末まで)。編集部員が一人数冊ずつ選んでコメントをつけさせていただきました。そこで、私が選ばせていただいたうちの1冊がこれです。
衣食住など様々な生活シーンでできる、環境と健康に配慮した100のアクションが収録されています。特に、春夏秋冬に合わせてできるアクションを集めた「社会貢献カレンダー」は、旬を意識するといったことと合わせて取り入れることをお勧めしたいです。今なら、打ち水だったり、夏のレジャーでグリーンホテル(グリーン購入ネットワークが運営するエコチャレンジホテル旅館データベースはこちら )に泊まってみる、などです。 著者の斉藤槙さんは、ロサンゼルス在住の社会貢献コンサルタント。ASU Internationalというコンサルタント会社の代表を務めながら、最近では世界銀行とのコラボレーションで運営する社会貢献型ブランドプロジェクト「ファーストブルー」を立ち上げるなど意欲的に活動されています。数年前にロスでの取材の際に出会って以来、一時帰国される折に時々お会いさせていただいています♪ この本から、1つでも2つでも皆さんに合ったアクションを見つけてやってみて下さい(100個ですから道のりは遠いですが、笑)。 |
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2008-04-14 Mon 11:26
今日は私の×回目の誕生日。実は5年前の今日、ブログたるものを始めました。まだ世の中にあまり知られていない頃に私にブログの受け皿を与えてくれたのは、個人の意思決定をサポートする会員制サイト「起?動線」世話人の堀内浩二さん。その堀内さんが、このたびめでたく著書を出されました。
タイトルは「リストのチカラ」。皆さんも、「お買い物メモ」から「今日やることリスト」まで、実は日ごろからリストに慣れ親しんでいらっしゃるはずです。でも、こうしたリストはどちらかと言うと、「忘れないように」とか「能率的に物事を片付けるため」というように、受け身で作ることのほうが多いかもしれません。しかしこの本では、日々気持ちよく仕事や生活をするために、さらには自分の夢の実現に向けた道筋を立てるために、リストを積極的に作ってみようと呼びかけます。 第一部「珠玉のリスト集」は、すべてうなってしまうものばかり。これからの社会人が大切にすべきことを堀内さん自身がまとめた「『マインドの時代』に生きる社会人の心得」は、私の今の座標軸になっています。第一部を読んだら「よし、リストを作ってみよう!」という気になること請け合いです。 この本は、堀内さんが起-動線とは別に開設したリスト収集・共有サイトListFreak(リストフリーク)が下地となってできた本だそうです。こちらも、本書を合わせてリストづくりのお伴にどうぞ。
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2007-06-11 Mon 16:58
持続可能な福祉社会―「もうひとつの日本」の構想 (広井 良典、ちくま新書)という本を読みました。この本では、機会の平等を保障するため、所得の不安定な若年層に「若者基礎年金」という形で一定の所得補償をする「人生前半の社会保障」ということについて中心的に書かれています。が、私がむしろ面白いと感じながら読んだのは、崩壊が指摘されるコミュニティでの人間関係のつなげ直しの大切さを説いた第7章のコミュニティ論でした。
いわく、戦後の日本では、人々がモノの豊かさを追求してしゃにむに働きながら(ファスト)、会社と家族、または血縁といった狭い関係性(クローズド)に閉じこもったファスト&クローズドなコミュニティが主流だった、と。しかし、そのようなあり方が様々な場面で行き詰まっている中では、心豊かに働き暮らしながら(スロー)、帰属する組織や地縁、血縁だけにとどまらない開かれたつながり(オープン)を紡いでいくこと、つまりスロー&オープンなコミュニティづくりが求められる、と主張しています。全くその通りだと思います。 しかし、このスロー&オープンなつながり方というのは、多くの日本人、とりわけ一定年齢以上の方々にとって未知の世界です。壮大なチャレンジですが、今やらないと年金や介護、教育、子育てといった現状でも課題山積な分野が本当にどうにもならなくなってしまう気がしてなりません。「消された年金」問題を持ち出すまでもなく、目の前の課題に迅速に対応してもらうのはもちろんのこと、スロー&オープンな関係性に基づいた社会のグランドデザインを描くことも同じぐらい大切なことです。 ちなみに、本の帯には「『人生前半の社会保障』を手がかりに、私たちが実現しうるオルタナティブな社会の全体ビジョンを示す」と書かれています。オルタナつながりということで、うなずけることの多い本でした。
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2007-05-21 Mon 19:49
非正規雇用や複数の仕事の掛け持ちという働き方ゆえに、働いても働いても生活を安定させることができない、いわゆる「ワーキング・プア」という現象。接客業や清掃業など私たちの豊かな生活に欠かせない部分を担っているにも関わらず、自らは豊かな生活を享受できない人々。米国で生きるそんな人々を一人一人丹念に取材してまとめたベストセラー「ワーキング・プア―アメリカの下層社会」(原題 The Working Poor Invisible in America) の著者、デイヴィッド・シプラー氏の来日講演を先日聞きに行きました。
400ページにも及ぶ本書には、せっかくの収入も各種支払いに消え、なかなか生活を安定させることができずにもがき苦しむ人々がぎっしりと紹介されています。彼らの姿を通じて、貧困とはそのものが問題なのではなく、貧困とは様々に点在する問題の複雑な集合体なのだ、ということをシプラー氏は示していきます。 |





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