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食育はワークスタイル変革から
2007-05-06 Sun 18:19
 昨年ベストセラーになった「食品の裏側―みんな大好きな食品添加物 」( 安部 司 著)をようやく読了。それまで多かった「添加物バッシング本」とは違って、添加物の功罪をバランス良く論じた点が受けたんでしょうね。で、この手の本を読むたびに「じゃあどうすりゃいいの」となる訳ですが、この本を読むとやっぱりもうこれに尽きるんじゃないかと思うのです。

 さっさと家に帰って手づくりしましょう!

 コンビニだろうと、スーパーのお惣菜コーナーだろうと、デパ地下だろうと、買ってすぐに食べられる大量生産・加工型の食品で添加物を避けるのは残念ながら至難の業。「添加物フリー」な食生活を目指すのであれば、意味のない残業や付き合いをさっさと切り上げて、せめて一日一食でもバランスの良い食事を手づくりするのがやはり大切なのではないでしょうか。

 それには何より、絶対的な時間が必要。ドレッシングや漬け物を買わずに自家製することしかり、パウダーではなく煮干しやこんぶでだしを取ることしかり、ホント手間がかかりますよね。でも、やっぱりおいしい。食を大切にするというと、とかく食材に凝るといった方向に流れがちですが、何より必要なのは時間だと私は思うのです。

 核家族でお母さんだけで365日手づくりしようとすれば長続きしないはずなので、お父さんにもしっかり参戦してもらう。たまに無性にジャンクなものが食べたくなる「脱線」はよしとしても、基本はあくまで家での手づくりとする。共働きの子育て世帯であれば、「添加物フリー」な食生活に共感する近隣世帯が集まって当番で夕食を作って子どもたちに食べさせる、なんてことができるとなかなか素敵です。

 こうして大人が食を大切にする暮らしを営む姿を子どもに見せれば、昨今ブームの子ども向けの特別な食教育なんて必要ないはず。食育云々言うなら、まずは大人から。しかも、食に豊かな時間を費やせる働き方への見直しなくしては、付け焼き刃に終わってしまうことでしょう。

 
食品の裏側―みんな大好きな食品添加物 食品の裏側―みんな大好きな食品添加物
安部 司 (2005/10)
東洋経済新報社

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大賛成!レジ袋有料化
2007-04-16 Mon 15:16
 J-Wave毎週月曜―金曜朝5時からの「Wake up Tokyo」の1コーナーに、月に1度出ています。今日は4月の出演日。テーマはレジ袋の有料化についてでした。

 ご存知の通り、ドイツやスイス、オーストリアと北欧を中心に、ヨーロッパではレジ袋は有料。これが最近、日本でもいよいよ広がってきましたね。

 全国で初めてレジ袋に課税する条例を可決したことで知られる東京都杉並区。その杉並区とスーパーのサミットが共同で、レジ袋を1枚5円に有料化する実験を今年1月15日から3月末まで行ないました。実験の結果、袋を持参する人が84%に達したんだそうです。実験を始めた当時、袋を持参する人は30%程度で、それを60%ぐらいにまでするのが当初の目標だったそうなので、予想外の良い結果だったと言えます。心配されたスーパーの売り上げのほうも、若干減ったものの許容範囲とのこと。このニュース、日本でのレジ袋有料化、さらにはマイバックムーブメントを強力に後押しすることでしょう。

 有料化ではありませんが、アメリカでも最近、レジ袋をめぐって注目すべき出来事がありました。

 サンフランシスコ市で先月末、プラスチック製レジ袋の使用を全面的に禁止する条例が可決されたのです。スーパーマーケットでは半年以内、ドラッグストアでは1年以内に、レジ袋をリサイクル可能な紙や、自然界の働きで水と炭酸ガスに分解される無害な生分解プラスチックに切り換えなくてはならないそうです。もちろんこれは、全米では初めてのこと。消費大国アメリカも変わりつつありますね。

 来月はオルタナの発行月に当たるので、第2号の内容を先読みでご紹介します。放送予定は5月14日(月)の朝6時すぎ。早起きさんは、お聞き逃しなく!
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「中立」はありえない
2007-04-08 Sun 19:21
 ドキュメンタリー映画「六ヶ所村ラプソディー」を観ました。 今年に入って観に行った映画としては「不都合な真実」以来でしたが、これは“日本版・不都合な真実”と言っても良いぐらい、私たちが目をそらしてはならない問題を突きつけています。

 映画の舞台になる青森県六ヶ所村は、日本各地の原子力発電所から出る放射性廃棄物を処理する再処理工場が建設された場所。テスト段階を経て、今年中には本格的に稼働する予定です。着々と前進する国家プロジェクトのはざまには、再処理工場で働く人たちの作業着のクリーニングを受注したクリーニング店主や、“再処理工場特需”を当て込んで酪農業から転換した建設会社社長のように、再処理工場と命運をともにする人たちがいます。その一方で、有機無農薬で安全な食を提供してきた農家の人々は、再処理工場を止めたい一心で活動しています。賛成・反対それぞれの立場で再処理工場と向き合う人々の姿を追いながら、カメラは六ヶ所村の将来を暗示させるある場所に飛びます。

 英国セラフィールド。ここにあるセラフィールド核廃棄物再処理工場では、2005年5月に大量の放射線物質が漏洩する事故が発生。これを受けて同工場は、海外からの委託分を処理し終え次第閉鎖されることに。周辺の海域では通常の70倍もの放射能が検出され、子どもたちの白血病の罹患率も年を追うごとに上がっています。

 六ヶ所村がいつセラフィールドと同じ運命に見舞われるか、誰も知る由はありません。しかし「だからこそ立ち止まろう」ではなく「それでもやってしまえ」というのが、六ヶ所村の、もっと言えば日本のエネルギー政策の現状です。

 「原発は怖いけど、なくなったら困るだろうから賛成でも反対でもない」という意見をよく耳にします。この映画を観終わると、このような“中立”を装う立場は結局賛成にすぎないというのをしみじみと実感させられます。再処理工場のそばで44基の風力発電機が回る光景は、あまりに残酷な日本の“不都合な真実”です。

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ゴア氏を突き動かす「道徳的想像力」
2007-01-16 Tue 12:20
 地球温暖化問題の解決に向けた貢献をライフワークにする米元副大統領アル・ゴア氏の”半生記”とも言えるドキュメンタリー映画「不都合な真実」が、20日(土)にいよいよ日本で公開されます。幸運なことに、映画公開と同名の翻訳本出版の機をとらえて来日しているゴア氏に先日インタビューすることができました。

 インタビューの詳細については、当該の雑誌が発売された時に改めてご紹介させていただくとして(すみません、もったいつけまして…)。実は私、ゴア氏が学生時代からこの問題に関心を抱き続けているとはいえ、副大統領を経て大統領に挑戦して”敗れ”、公職を辞してからもなお様々な角度から精力的にこの問題に関わり続ける原動力は一体どこから来るのかと、かねがね不思議に思っていたんです。でも、今回のインタビューでの彼のある言葉からその一端を伺い知ることができたような気がします。

「道徳的想像力(moral imagination)」

 野球場で一緒に手をつないで歩いていた末息子が、自分の手をすり抜けて駆け出した先で交通事故に遭遇。約1カ月の入院生活に寄り添いながら、ゴア氏は自分の人生にとって最も大切な「家族」と「地球環境問題」を、私生活と仕事の最優先事項にすると決意します。そんな当時を振り返りながら、彼はこう語ってくれました。

『私たちは過去には戻ることができませんが、未来に行くことはできます。そして、道徳的な想像力を駆使することによって、創造したい未来を心に描くことができます。(中略)この美しい地球が私たちの手元からすり抜け始めていると感じていただけるのでしたら、強く握り返していただけるのではないでしょうか。そうすることで、皆さんは子どもたちの世代に向けて道徳的な責任を果たすために必要な変化の一翼を担うのです』

 物事を変えるには、理論だけでも思いだけでもダメ。理論と思いを兼ね備えた人の「強さ」を改めて思います。

 映画では、ゴア氏自身のこのプライベートなエピソードを環境問題の解決に向けた個人の行動を促すスパイス代わりに盛り込むなど、レトリックの巧みさが光りました。エンドロールで個人ができる温暖化防止の行動リストを流すあたりには、個人の力に敬意を払うアメリカ流のメッセージ性が存分に発揮されています。

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昨日のプレビューで舞台あいさつするゴア氏


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医者の”海外流出”という問題
2006-08-21 Mon 01:17
 日本ではほとんど話題になっていませんでしたが、今年3月半ばからドイツ全域で断続的に行われていた医師のストライキが先日、ようやく終わりました。医師のストなんて日本じゃあり得ませんから(看護士さんはたまにあるでしょうか)、白衣姿のお医者さんたちが「患者は治っても医者が死ぬ!」などと書かれたプラカードを掲げて笛をブーブー吹きながらデモ行進している光景にはびっくり!でも、そうまでしなければならないほど、ドイツの医師の労働環境は年々悪くなっているようです。

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ミュンヘン大学病院に貼られていた「スト中!」のポスター(2006年3月18日撮影)

 今回ストをしていたのは開業医ではなく、大学病院や自治体病院のいわゆる勤務医の皆さん。医学部を出たばかりの若いお医者さんが相対的に多いのですが、救急・当直といった激しい勤務の割には収入が低い。まあこれは、日本でも似たり寄ったりです。とはいえ、日本のお医者さんにとっては、劣悪な勤務を逃れて新天地を求めて外国に行く、なんてことは言葉の問題もあってなかなかできません。

 ところが、ドイツではこれが簡単にできてしまうんですね。お隣のオーストリアやスイスに行けば、同じドイツ語が使えるし、おまけに税金も安い(おまけどころか、これも大きな要因です)。はるばるイギリスやアメリカにまで出て行く人もいて、若くて有能な医師の”海外流出”は後を絶たないんだそうです。

 自治体病院、そして一足先にストを収拾した大学病院の医師たちは、いずれも一応の賃上げを確保しました。それでも、今回の結果が医師の海外流出に歯止めを掛けるという見方はほとんどなし。果たして手だてはあるのか−。この問題、これからも尾を引きそうな気がします。
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