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「専門家」は十分いる、必要なのは様々な専門分野を統合する「スーパージェネラリスト」だ
2014-08-18 Mon 22:30
ゴールデンウィークと夏休みとお正月休みには、その時々に読みたい本を必ず読破するようにしている最近の私。この夏は、雑誌「オルタナ」時代に連載を担当させていただいていた田坂広志さんの最新作
知性を磨く― 「スーパージェネラリスト」の時代 (光文社新書)を読みました。


知性を磨く― 「スーパージェネラリスト」の時代 (光文社新書)知性を磨く― 「スーパージェネラリスト」の時代 (光文社新書)
(2014/05/15)
田坂 広志

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タイトルにさせていただいた文言は、3人のノーベル賞学者が設立し、複雑系など最先端の研究を行う米サンタフェ研究所を、田坂さんが1997年ごろに訪問した際に言われた内容なのだそうだ。地球環境問題、世界平和…。20世紀に解決できなかった課題を、今世紀に克服するためには、どのような人材が必要なのか。そのような人材の「知のあり方」は、どのようなものなのかを提示されています。

この本を読む以前に、民間・公共・社会の垣根を超えて活躍する「トライセクター・リーダー」について触れていたので、スーパージェネラリストとはまさにトライセクターで活躍する人に共通した資質だと理解しながら読み進めていきました。

そんなスーパージェネラリストとは?

明確な「ビジョン」を掲げ、基本的な「戦略」を持ち、その達成に必要な「戦術」を描き、「技術」についての知識も持ち、優れた「人間力」に裏打ちされた高い「志」と深い「思想」を持った人。これら7つの知性を見事に切り替えながら並行して進め、それらを瞬時に統合しながら行動できる人のことだというのです。(90ページ要約)

そのほかにも、印象深い箇所がありました。

野心と志の違い。野心とは、己一代で何かを成し遂げようとの願望のこと。志とは、己一代では成し遂げ得ぬほど素晴らしき何かを、次の世代に託す祈りのこと。(134ページ)

スーパージェネラリストになるために身につけなければならないもう一つのこと、それは「多重人格のマネジメント」。多重人格(マルチパーソナリティ)を開花させることによって、多彩な才能(マルチタレント)が開花するようになる。自分の中にある「複数の人格」を認め、受け入れることによって、「自己限定の深層心理」から解放されて、それぞれの人格に付随する「才能」を、どれも抑圧せず、否定せず、開花させていくことができるからだ。(180ページ、195ページより)


シンクタンクへの参画、その後自らによって新たなシンクタンクを創設、東日本大震災時には原子力工学の専門家としての立場を乞われて内閣府参与に、と文字通り官民でしなやかにキャリアを積まれながら、約80作もの著作を出してきた田坂さん。キャリアの結晶とも言うべき内容の数々は、田坂ファンだけでなく、人生80年90年時代を生き抜くことを求められるすべての仕事人におすすめです。


知性を磨く― 「スーパージェネラリスト」の時代 (光文社新書)知性を磨く― 「スーパージェネラリスト」の時代 (光文社新書)
(2014/05/15)
田坂 広志

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日本の家族農業が生き残ること、それが世界へのプレゼント
2014-06-15 Sun 11:37
この時期の日本の風物詩と言えば、田植え。今年は残念ながら機会が合わずに行けなかったので、その代わりと言っては何ですが、先日Green TV Japanとして初の配給映画「たうえうた」の上映会に行って来ました。名古屋近郊に広がる田園地帯の田んぼの営みを通じて、四季折々の生き物とその繋がりがもたらす恵みの有難さが淡々とつづられた、心地よい作品です。

映画「たうえうた」

上映後は、監督の水澄げんごろうさんとGTVJの水野雅弘さん、そして主演の農業・野田幸子さんによるトークショー。折しも今年は、国連が定めた国際家族農業年。農業は大規模化ばかりを希求してはならない。家族的経営の農業は、生物多様性の存続、さらには食糧安全保障のカギです。野田さんの「日本の家族農業が生き残れば、世界へのプレゼントになる!」というお言葉に、21世紀の私たちの進むべき道を見る思いがしました。

野田さん自作の田植えうたにはたくさんの虫や鳥、動物、植物が出てきて、さながら生き物図鑑のよう。「私が知ってる唯一の英語、Think globally, act locallyを 『視野は広く、行動は足元から』って訳して日々実践しています」と、本当に素敵な女性の大先輩でした♪

「なぜ生物多様性が大切なのか?」の理由づけを100回聞くよりも、この作品を一回見ればス~っと理解できることでしょう。まさに百聞は一見にしかず!生物多様性や食の未来についての気づきの機会として、学びの材料として、ESD(持続可能な開発のための教育)に格好の映像教材としてもお勧めです。
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家族の役割が大きいと、シングル化、少子化を招く
2014-05-13 Tue 16:49
先日、ちょっとドキッとする内容の記事が出ていました。

東京は高齢世帯の44%が“おひとり様老人”に データが赤裸々にした厳しすぎる日本の未来 (ダイヤモンドオンライン)

もし、この人たちが互いに何のつながり合いもないまま老いて亡くなっているような状態になった時、日本は本当にもつのだろうか――。そんなことを考えていた折、「パラサイト・シングル」「格差社会」「婚活」など、1990年以降の社会現象を家族社会学の見地から提示してきた、社会学者・山田昌弘さんの最新刊にちょうど出会いました。


「家族」難民: 生涯未婚率25%社会の衝撃「家族」難民: 生涯未婚率25%社会の衝撃
(2014/01/21)
山田昌弘

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若者の未婚化・シングル化がこのまま進むとどのような未来が待っているのか。シングル化が進む現状の要因を分析した上で、私たちがとるべき道をシンプルに示唆した良書でした。

まずもって、「いま、家族と経済が連動して、家族の経済格差に拍車がかかっている時代と言えるだろう」(本書より)という認識の共有から始めたいと思います。労働市場の非正規化、低賃金化に伴って、唯一のセーフティーネットとして日本社会で長く機能してきた「家族による保障力」が低下する中で何が起きているのか。それは「経済的に豊かな人のところに配偶者や子どもが集まって、経済的にも心理的にも家族の結びつきが強くなる一方で、経済的に苦しい人は離婚しやすく、子どもも離れやすく、家族から包摂されずにさらに厳しい状況に追い込まれる。」ということです。

シングル化の話になると、とかく「結婚しないのがけしからん」といった方向に行きがちですが、シングル化が問題なのではありません。シングルの孤立=家族難民になってしまうことが問題なのです。

その上で、家族の役割が大きいと、シングル化、少子化を招くということが明確に主張されていました。上述したように、家族が経済面と心理面と双方の安心を保障できる力が落ちてきているからですね。

安倍政権は、女性活用や少子化対策をさかんに訴え、諸々の政策を打っています。でもその一方で、家族機能の強化を明らかに志向しています。推進すると謳う政策の効果を減退させることを、他方でやっているわけです。その矛盾に気付いているのだろうか、と言いたくもなります(気付いてやっていれば確信犯ですが)。

最後に、家族難民を増やさないために私たちが個人として、社会としてとるべき策とした中から、印象的だったものを書いておきたいと思います。

(個人として)
・再婚も含め「婚活」を積極的に活用する

(社会として)
・選択的夫婦別姓を筆頭に、多様なカップルのあり方を認める
・シェアハウス、コレクティブハウスのような「集住」の選択肢を増やす
・個人単位の社会保障

個人の部分は何分、相性の問題があるので何とも言えませんが、社会としての方策はいずれも早急に進めていかないとマズいのではないかと強く感じたところです。
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再生可能エネルギーで地域を元気に! =再エネ事業の人材育成講座「まちエネ大学」の試み=
2014-05-02 Fri 23:24
連休明け、いかがお過ごしでしょうか?

本日から、Yahoo!による個人発信のフレームワーク「Yahoo!個人」にページを持たせていただくことになりました。

早速、昨年度いっぱいかけて実施した、自然エネルギーを使った地域ビジネス・活動の担い手育成講座「まちエネ大学第一期」のルポをさせていただきました!

再生可能エネルギーで地域を元気に!まちエネ大学の試み

ガップリ四つに組ませていただいた資源エネルギー庁の皆さん、講師陣の皆さん、各地の金融機関、自治体の皆さん、各地の受講生の皆さんの思いを、私、事務局長の立場から切り取ってみました。

まちエネ大学そのものの活動にご興味をお持ちいただける方はもちろんのこと、地域の様々なテーマでの課題解決に求められる多様なステークホルダーによる知恵と助けのあり方にご関心のある皆さんにも、ぜひ読んでいただけたらと思います。
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幸福な国の条件とは?
2014-05-02 Fri 23:08
GW後半おすすめ本、お次はこちらです↓


幸福途上国ニッポン 新しい国に生まれかわるための提言幸福途上国ニッポン 新しい国に生まれかわるための提言
(2011/06/24)
目崎 雅昭

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取材に伺ったある方とのお話の中に出てきたこの本。著者は、英国の大学院で修士号を取得後、外資系金融機関でマネーゲームの最前線を担った後に退職。10年あまりかけて世界100カ国を旅して、現在は外資系コンサルタント会社の日本代表を務めるという、ユニークな経歴の持ち主です。

この本の出色は何といっても、幸福な国の条件を気候、平均寿命、自殺率、出生率、宗教、経済、格差、地域主権、(人々の)寛容度との相関関係から浮き彫りにしていった前半部分。その結果、地域主権が髙く、人々の寛容度が高い国ほど幸福度も高いという有意な相関関係が見られるという観点が出てきて、なるほど!と思ってしまいました。


この観点に立つと、日本人の幸福度の低さの背景が説明できますよね…残念ながら。また、日本人の幸福度の低さを「ひとりひとりが真剣に考え、対立を恐れずに対話や議論をする機会が少なすぎることと関係ないだろうか」(147ページ)というのも、無視できない視点でしょう。


個人的には、後段に出てきた「自己イメージが多岐にわたる人のほうが、幸せになる確率が増えるのではないか」(165ページ)という視点も頷けました。母親だけ、仕事人だけというのではなく、「母親でもあり仕事人でもある」からこその幸せってあるよな~と。そこに、地域での活動に精を出す側面や、趣味人としての側面も加わってきたり。確かに、色々なことをやっている人のほうが、いつも楽しそうに見えます、特に女性は。

GDP偏重の経済システムへのアンチとして幸福度にスポットが当たって久しいですが、学術的な講釈とは違った面白さのあった本でした。


幸福途上国ニッポン 新しい国に生まれかわるための提言幸福途上国ニッポン 新しい国に生まれかわるための提言
(2011/06/24)
目崎 雅昭

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