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2013-05-14 Tue 18:38
去る3月始め、横浜市の市民向け環境啓発事業YES(ヨコハマ・エコ・スクール)「楽しもう 未来志向のエコライフ」のトークセッションで聞き手を務めさせていただきました。90歳の方々からの聞き取り調査から未来につながる持続可能なライフスタイルを探る東北大学大学院・古川柳蔵先生のお話に続いて、参加者の皆さんでグループに分かれて、地域でやれそうな・やってみたいエコアクションを出し合ってもらうワークショップを行いました。
ライフスタイル分析や90歳ヒアリングを通じて見えてきた、環境負荷を下げながら心豊かに暮らせる要素。「自然(が身近)」「役割をもって社会とつながる」「自己成長」…。これらの要素を、今いる条件下で、あるいは条件を変えて、自分の身近で実現できるか、子どもたちに環境として与えられるか。個人でできることはまだまだあるなあということを、改めて感じられたひとときでした。 深いなあと思ったのは、低環境負荷のライフスタイルとしても賞賛される「シェア(共有)」について、本当にそうなのだろうかという古川先生の視点でした。例えば、自分専用の食器やお箸などを入れて昔よく使われていた箱膳。自分専用のものを大切しながら、それぞれが管理する(誰かがまとめて洗い収納するのではなく)というのも、シンプルで心穏やか暮らしにいざなってくれます。周りの人たちと共有したほうがいいものと、自分でもったほうがいいものとの線引き。皆さんもちょっと意識してみると、意外な発見があるかもしれません。 当日のリポートと動画が公開されました。皆さんの地域でもやってみるヒントにしていただければ幸いです。ぜひご覧下さい! |
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2013-04-05 Fri 12:01
真のグローバル視点でこれからの子育てと教育を考える親たちのネットワーク「グローバル・ママ・ネットワーク」でご一緒している、フリーランスの開発政策・ジェンダー専門家の大崎麻子さんが初の著書
『女の子の幸福論 もっと輝く、明日からの生き方』(講談社)を上梓されました(おめでとうございま~す!)。国連開発機関で途上国の女性たちのエンパワーメント政策を数多く手がけてきた麻子さんは、女性を元気にすることにかけては言ってみればプロ中のプロ。グローバル化する社会の動きを見据えつつ、これからの時代を生きる女性にぜひ知ってほしい、身につけてほしい情報や心持ちを伝授する1冊です。
ここ2、3年でしょうか、いろいろなところで「女子力」っという言葉が使われています。阿川佐和子さんの『聞く力』(文春新書)はじめ、『なんとかする力』と題した本が溢れていることから察すると、「~力」というのは「これさえ身に付ければ大丈夫」という文脈で使われているのでしょうか。ということは、「女子力」というのは「これさえ身につけとけば、女の人生は安泰よ」という意味!? でも、この女子力という言葉には結局というか、やっぱりというか、男性が求める女性像に合わせるための外見磨きであったり、そのためにはこんなものも買いましょう、あんなところにも行きましょうと消費を煽るメッセージが溢れてしまっている(ああ…)。これに対して、麻子さんは「自分の人生を舵取りしていける力」の大切さを訴えます。そう、本当の女子力って、実はこういう力のことを言うのだと思うんですよね。 これからの時代の本当の女子力をつけるために、麻子さんは①自分で考え、自分で決める習慣をつけること②情報を批判的に吟味し、多角的な視点から物事を考える③周りの人と繋がること―を3つの柱を提唱しています。その上で、それぞれを身につけるのに必要だったり有効だったりする手法やモノの考え方を提案しています。あとはじっくりお読み下さい! 麻子さんは私と同じ年ですが、学年が一つ上ということもあり、私にとってはお姉さんのような存在です。大学院在学中の20代半ばから子育てをスタートさせ、その後のUNDPでのキャリアと両立させながら、ご長男の大学進学で子育ても半分一段落する今では、フリーランスの開発政策・ジェンダー専門家として現場で、教壇で、さらにはメディアで活躍しています。一方の私、大学卒業から約10年は記者としてがむしゃらに働き、海外生活・留学を経て帰国して創刊メンバーとして新雑誌を立ち上げ、「いや~、もうやり切ったね」という感じで30代半ばで出産。今、まさに仕事と子育ての両立街道まっしぐらです。 同い年の麻子さんと私の例だけ見ても、女性の生き方はさまざま、と思いませんか?婚活、妊活ばやりで、少子高齢化も手伝って「これからの時代の女子たるもの、働きながらできるだけ若いうちに子どもを産もう」という社会的メッセージが、ともすると強く出すぎるきらいがあります。人の人生は、他でもないその人自身のもの。どんなタイミングで子どもを産むか、産まないのか、それぞれに伴うメリット、デメリットを「自分で考え、自分で決める」ことが、婚活や妊活以前にはるかに大切だということを、若い世代の皆さんには伝えたいと思います。 「みんな違ってみんないい」精神が、日本女性の生き方にも広がっていきますように! 友人ということを差し引いても、すべての女性に、とりわけティーン以降の次の世代の女性の皆さん、そしてイコールパートナーシップを目指す男性にも、ぜひおすすめしたい1冊です。 |
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2013-02-07 Thu 16:57
『ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉』(プレジデント社)という本、もう読まれましたか?2025年ごろに予想される地球規模の社会のありように基づき、孤独と貧困から自由な未来を得るために3つのシフトを心掛けてみませんか―と呼びかけるこの本は、世界各国で大ヒット。このほど、著者でロンドン・ビジネススクール教授のリンダ・グラットンさんの来日セミナーが開かれたので、行って来ました(メディアパスではなく一般来場で入ったので、写真撮影NGでした…)。
本の冒頭にも書かれているのですが、グラットンさんはまずなぜこの本を書いたのかということから話してくれました。20年以上大学で教鞭を執り、組織経営論のスペシャリストとして多国籍企業や政府に助言する中、5年ほど前からグローバル化による変化を実感するようになったのだとか。それが組織運営にどう影響するのか、生活にはどう影響するのかということに関心が向いていったそうです。さらに、2人の息子さんの母親として、子どもたちの職業選択にも変化を呼び起こす可能性があるはずだとも考えたそうです。 本書では、2025年ごろの未来を形づくる要素として、以下の5つが挙げられています。 1、テクノロジーの進化 いわずもがな、ですね。 2、グローバル化の進展 グラットン教授は、来日セミナーでは「日本人中心主義は短期的には機能するかもしれないが、長期的には疑わしい」と発言していました。ダイバーシティは不可避、と。 3、人口構造の変化と長寿化 グラットン教授は「長時間労働で健康を害していては、70、80歳まで働けない。もっと休みましょう」とさかんに呼びかけていました。 4、社会の変化 もっとも象徴的なのは、家族のあり方が変わるということ。もっと言うと、単身世帯が増えるということです。 5、エネルギー環境問題の深刻化 ここでは説明しません。 その上で、私たちは今2つの道の分かれ目に立っていると言います。 <漠然と迎える未来の暗い現実> ・(グローバル化、仕事の細分化の影響で)いつも時間に追われ続ける ・(バーチャル化、国際移住の進行などで)孤独が深まる状況が生まれやすい ・(終身雇用の崩壊、地域間格差、世代間格差などで)繁栄から締め出される <自由で創造的な未来> ・コ・クリエーションの未来 専門家より正しい判断を下せる賢い群衆が誕生し世界の課題を解決する上で、集合知の重要性がもっと評価されるようになる。 ・ミニ起業家の活躍 大組織を中心とするエコシステムの中で、特技や専門性をもって仕事をする個人が増える。 そうだとすれば、やはり自由で創造的な未来に生きたいもの。そのためには、働き方と生き方にまつわる3つのシフトを実践すべし、とグラットン教授は説きます。 ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ 専門的技能を連続的に取得して専門分野を広げていくこと、です。 協力してイノベーションを起こせる人的ネットワークを 頼りになる同志(posse)、自分とはタイプの違う人たちとのつながり(ソーシャルメディアでのご縁など)、自己再生のコミュニティ(家族、親友、シェアハウスの住民など)。 大量消費から情熱を傾けられる経験を よくぞ言って下さいました、という点です。 グラットン教授は最後に、「われわれは過渡期にあります。すべての人にシフトを求めるつもりはありませんが、未来を知り、備えることが大切だということは伝えたい」と呼びかけました。 その後は、近著『採用基準』(ダイヤモンド社)が話題の人材コンサルタント伊賀泰代さんとの対談形式による質疑が繰り広げられました。この部分もなかなか興味深かったので、一部ご紹介します。 Q(伊賀)新興国の人たちにとっても、同じ未来が待っているのか? A(グラットン)基本的にはそう。新興国でも、この本はよく読まれた。今年のダボス会議での主要テーマの一つは、若年層の失業問題。新興国ではテロの温床にもなりうるということで、ものすごく危機感が広がっている。 Q高学歴でも仕事がない現状。個人として何をすべきか? Aこの問題に対しては、多様なステークホルダーによる協力が必要。大学は、仕事に役立つ教育をもっと意識すべきだろう。政府が若者に対して、どのような分野の仕事をすべきかということについて様々な発信をしている国もある。ドイツとシンガポールが好例。企業と個人はかつては親子のようなものだったが、今は個人対個人。一人ひとりがよく考えないといけない。 Q仕事に役立つことを学ぶばかりでは、社会がつまらないのでは? Aその通り。社会には多様性が必要だ。選択した職業の現実を知ることが大切。 Q解雇しやすくなれば、仕事が増えるのか? A研究では、規制が厳しい国は雇用を生まないという傾向が出ている。上海は今やソフトウエア起業のメッカだ。 Q若い人にそういう気持ちにさせるには、教育で、政府で、家庭で、どうすれば良いのか? A政府が起業を奨励することが大切だ。政府部門に行く人ばかりでは、何の価値も生まれない。 Q2025年の未来を知るにつけ、才能のある人とない人との格差が広がるということではないかと思うが? Aその通り。トップ20%の人たちは、必ず発掘されることになるだろう。その人が大成するかは能力+決意で決まるので、機会が平等になる。 Qこの本は、世代によって受け止められ方が違うと思う。若い人と中高年にそれぞれメッセージを。 A 40歳を超えても、好奇心を持って学習を続けましょう。若い人たちは、企業や政治に求めず、自分で決めましょう。お金と自分の関係についてもしっかり考えましょう。何が自分を幸せにするのか、もっと深く考えましょう。そして最後に、皆さんもっと休みましょう! 200人は優に来ていたセミナー会場はすし詰め状態。働くということ、働き方の未来について深い関心を持った人たちがこれほどいようとは、という点でとても勇気づけられる機会でした。『ワーク・シフト』に続くグラットン教授の次の著書『The key』では、2025年に向けた変化に企業はどう対応すべきかについてフォーカスするのだそうです。こちらも楽しみです! 来日前に行われたグラットン教授のインタビュー記事、こちらに掲載されています。 「2025年、日本人が孤独で貧困な人生を送る可能性」(ダイヤモンド・オンライン) |
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2013-01-30 Wed 10:14
1月22日(火)朝日朝刊オピニオン面、犯罪学者・浜井浩一さんのインタビュー「刑務所から見えるもの 軽い罪を繰り返す高齢者や障害者に居場所と出番を」が、セーフティーネットがなきに等しい日本社会の問題の本質を言い当てていて、すごく目を開かされました。
日本では、刑事司法と福祉の連携がないために、ほんの少しの食べ物を万引きをしてしまう高齢者や障害者の受刑者が急増していて、これは「世界的にも異常な事態」(浜井氏)なのだそうです。なぜそのようなことになっているのか―。 「刑罰にはいわば消費税と同じような逆進性があり、同じ罪を犯しても無職だったり高齢だったり障害があったりして社会的基盤が弱い人は、身元引受人がいなかったり、他人とうまくコミュニケーションが取れなかったりするために再犯の可能性が高いと判断されて実刑を受けやすい」「最大の問題は、社会のセーフティーネットが壊れていること。受刑者全体は減っているが、刑務所内で死亡する高齢者は増加している。社会のいろいろなところで拒否されてきた人たちの最後の『居場所』になっています」(同) 生活保護費の引き下げなど、壊れたセーフティーネットをさらに踏みつけるような動きがあらわになっています。 「民主党政権が社会的弱者に視点を当てて『居場所と出番』をつくって社会的に包摂していこうとしたことは間違いない。そこは素直に評価すべきだと思います」「安部新政権には、物語ではなく、事実や根拠に基づいた政策を実施してほしい。貧困、自殺、犯罪。問題の根っこはつながっています。今は普通に生活している人たちだって、いつそういう状況に陥るかわからない。それは心の問題ではなく、社会に居場所があるかないかの問題です。人は一人では反省できても、一人では更生できないのです」(同) SNSをはじめとする「つながり」がひろがる一方で、東日本大震災を機に問われたコミュニティの「つながり直し」の必要性。私たちはこれから、「安心」と「絆」をどうやって作っていえばいいのか―—。考えさせられます。 「日本人は刑事司法を信頼していないのに、なぜ悪いことをすると罰を受けると思っているのか。社会心理学者の山岸俊男さんの理論を援用して読み解いてみると、地域コミュニティや会社コミュニティなど『仲間内』での相互監視にさらされているからだと考えられます。(中略)それは、他者に対する信頼をもとに築かれた社会とは根本的に違います。だからこそ、仲間ではない人間に対する警戒心は強く、排他的です。(中略)もともと他者への信頼が希薄な上に、相互監視による安心を失ったら、残るのは他者への不信とおびえだけになってしまい、それでは社会はうまく回りません。ではどうするか。刑事司法や防犯カメラの監視機能を強化することで『安心社会』を外側から補強するか、それとも信頼に基づく社会を築くことを目指すのか。大きく言って道は2つだと思います」(同) 理想としては後者だと私も思いますが、人付き合いや社会参加についての国際比較調査では、日本人はダントツにどちらも少ないのだそう。となると…。 「そもそも他人と触れ合っていない中で、他者への信頼を育もうと言っても無理でしょう。昨今の学校現場でのいじめに刑事司法が介入していく現状を見ても、『安心社会』を外側から補修しながら対策を進めていく公算が大きいのではないでしょうか。短期的にはそれで仕方がない面もある。ただ本当にそれが私たちが望む社会なのか、一度きちんと考えてみる必要があると思います」(同) 皆さん、いかがでしょうか。 |


